Baby touch
ふわっとした毛束と軽やかな着用感。
南アフリカから届いたモヘヤは、
柔らかく包み込まれるようにあたたかい。
Photographs by Marlen Mueller
Autumn & Winter 2022
今シーズン採用した2つのモヘヤは、どちらも南アフリカ産の上質な原料を採用しています。
「BRUSHED SUPER KID MOHAIR」は、アフリカ大陸の雄大な土地で育ったアンゴラヤギの中でも、とりわけ細い子どもの毛のみを厳選。ヴィンテージをルーツとした毛足の長い仕上げによって毛束一つひとつがふわっと立ち上がり、軽快で包みこむようなあたたかさが特徴です。
ゆるめに撚った甘撚りで紡績した糸は、芯糸に天然素材のウールを用いています。通常、モヘアは柔らかな天然の毛を強度のある芯糸に巻き付けて糸を作ります。その芯の多くは、ナイロンなどの化学繊維。そこにあえてウール100%を用いることで、化学繊維特有のコシのない、柔らかな風合いとチクチク感のない肌触りを実現しています。
芯糸をウール100%にするということは、強度が失われるということ。衣服としての強度を保ちながら、子どもの産毛のようなフィーリングを保ちたい。経糸や緯糸のつくり、編み方やその後の加工に至るまで、衣服になっていく一つひとつの過程に試行錯誤の連続があります。
一方「KID MOHAIR」のシリーズでは、同じ原料を用いながら、まったく異なる表現を行なっています。キッドモヘヤの極細タム糸を使用して編み立てたニットは、チクチク感の無いなめらか風合いと、驚くほどの透明感をもっています。
絨毛を透けるほど細番手に引く手法は、今日の最新技術によるもの。それを繊細なハイゲージで編む。そうしてできあがった編み地を私たちはまるで“湯葉のよう”と表しています。湯葉のような編み地には、ナチュラルな奥深さをもつ杢のカラーリングを。くすみのある色合いは、私たちの肌はもちろん、レイヤードするウエアの重なりや秋冬の気候や色にも調和します。
大切な天然素材だけで作られたモヘヤニット。
手入れをしながら長く付き合うことで、より一層心地よく馴染んでいくはずです。