ペルーでの出会い
カシミア同様、AURALEEの秋冬コレクションを制作するうえで欠かせない原料の一つにアルパカの毛があります。ウールと比べると繊維が非常に細いため軽く、独特なハリと艶やかな光沢に加えて機能性や軽量感を持ち合わせた汎用性の高い原料です。こうした個性を生かした表情豊かなニットや生地を作るために、AURALEEはアマゾンの熱帯雨林やマチュピチュで知られるペルーを訪ねました。まだ見ぬ高品質な素材に出合うために。
アルパカの放牧
アルパカは、主に南米アンデス山脈の高原地帯で放牧。そのうちの7割はペルーに生息していると言われています。富士山よりもはるかに高い海抜5000メートルの高地。現地に到着し、アンデスの雄大な湿地帯を車で走っていると、時折何十頭ものアルパカの群れに出くわします。白やブラウンにベージュ、アルパカは毛色が豊富なのも特徴の一つです。そしてペルーでは、品種や毛の色ごとに区画に分けられ、それぞれに適切な方法で放牧されています。
毛の選別
アルパカの糸を紡ぐ工程の中で最も重要なのが、毛の選別作業。一頭の中でも部位によって細い毛や太い毛、さらには色の違いなどがあり、職人たちはそれらを見た目と指先の感覚だけで選別していく。熟練の指先は、機械よりも正確と言われているほど、伝統的に権威ある職業と位置づけされています。
紡績
選別した毛を洗濯機にかけ、汚れを取り除く工程。ふわふわの太い繊維の束にまとめ、それらをピンと貼り、撚りをかけることで一本の糸として紡がれます。
AURALEEチームが訪れたアルパカの研究所では、この一連の流れを徹底した管理体制で行なうと同時に、現地の遊牧民たちの飼育や刈り取り等の技術指導にも尽力しています。アルパカの品質向上はもちろん、遊牧民たちがより豊かな生活ができるよう、公正な手段で利益を還元していく仕組み作りに取り組んでいます。過酷な環境と美しい自然、生きるために家畜と暮らしてきた遊牧民と新しい牧畜家の弛まぬ努力が、極上の素材を生んでいるのです。
夏は40度を超え、厳冬期はマイナス20度にまで達すると言われる環境下で育ち、徹底された管理体制で糸となったアルパカの毛は、AURALEEのニットなどに使用されています。ウールの8倍もの保温性を持ち、さらに暑い時には余計な熱を発散する、温度調整機能も持つ”天然”機能性素材。見た目のよさだけでなく、衣服内気候を快適に維持することができるAURALEEのアルパカウェアをぜひお試しください。