By hand
軽快な着心地とエレガンス。それらを両立するのが、ハンドソーイングで仕立てられたコートやジャケット。極細のウール繊維による糸を高密度の2重織で仕上げた生地は、ふっくらとした質感とナチュラルなストレッチ感をもちます。
Creative Direction by kontakt
Cinematography and Photography by Junpei Kato
Video editing by Gorilla Editors
Music composed by H. Takahashi
Mixing & mastering by Kohei Oyamada
ウールに特化した工場で作られる生地は、原糸の整経からはじまり、製織、染色、染色整理など約30以上の工程を経てつくられます。それぞれの工程は決して画一的ではなく、生地の特性やそれがどのようなデザインで用いられるかによって都度手法を変えながら、理想とする生地に向けた試行錯誤が続きます。
例えば、使用する糸の本数や巻き方。細部一つひとつの決定は、服の佇まいに影響します。理想としたのは、均一に見えて、よく見ると不揃いでゆらゆらと揺れるような生地と色彩。その“ゆらぎ”が着る人のスタイルや環境に自然と馴染む佇まいを生む。それは、AURALEEのマテリアルへの深い関心と職人の知恵によるいくつもの対話によって紡がれるものです。
その細部への意識は、縫製の現場へと引き継がれます。雄大な山々を望む工房では、リバー製法を採用しています。接結した2重織の生地を1枚として縫い立てる技法は、裏地を省略することができるため、生地の厚みが出ず、繊細でエレガントなフォルムとソフトな着心地を生みます。
リバー仕立ては、ほとんどの作業を手縫いで行います。前端、裾、フラップ、アームホール、襟裏や内側のシーム。それらを一針一針手作業で縫っていく。熟練の職人でも1着のコートを縫い上げるまでに10時間以上を要する非常に細かな作業の連続です。
ある職人が言います。
「本当に些細なこと。誰も気に留めないところをしっかり作るからこそ、着たときに美しくなる」と。